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- エアイーサー開発物語
1999年5月、東京都港区白金にある北里研究所病院内に臨床環境医学センターが
開院しました。
このセンター内には化学物質過敏症患者(以下CS患者)のための
診断施設として、
スーパークリーンルームが設置されています。
私たちのごく身近な生活周辺だけをみても膨大な種類の化学物質が存在するため、
CS患者がどのような化学物質に反応するのか、その特定には高性能換気設備を設けた
特殊施設(スーパークリーンルーム)を設置する必要がありました。
このスーパークリーンルームの設計・開発・施工を手掛けたのが 新菱冷熱工業(株)です。
茨城県つくば市にある同社中央研究所内に
テストプラントを建設し、
室内の空気を清浄化させるために
様々な実証実験を重ねた後、
臨床環境医学センターのスーパークリーンルームは出来上がりました。
※(株)レモンは新菱冷熱工業(株)のグループ企業です。
「CS患者のために、家庭や学校でも使用できる化学物質除去を目的とした空気清浄機を
つくれないだろうか・・・。」と私たちは考えました。
既に国内の家電メーカーでは、多くの空気清浄機が製造されていましたが、
大半がホコリや花粉を除去することが主な機能で、「化学物質除去」という機能を有する
空気清浄機はどこのメーカーも手掛けていなかったのです。
社内では採算上の問題から慎重派が多数を占め、
すぐに着手できる状況ではありませんでした。
しかし、長年に渡り培ってきた空調技術を、
化学物質過敏症で苦しむ方々に
役立てようという
使命感が次第に沸きあがり、開発プロジェクトは大きなうねりとなって動き出していったのです。
新たに開発する空気清浄機型化学物質除去装置(以下エアイーサー)の
仕様は、
おおまかにはスーパークリーンルームの技術をフィードバックする
ものでしたが、
除去のメカニズムとして何を採用するか、
という課題がありました。
メカニズムは大きく分けて「分解型」と「吸着型」の2種類に分けられます。
分解型は光触媒、オゾン、プラズマ、イオンなどを使って、化学的に分解します。
確かにそれらは分解することで、特有の臭気やホルムアルデヒドを低減
できるのですが、
分解の名の通り、細かく刻んで再放出しているに過ぎず、
根本的には物質の除去に至っていません。
室内の化学物質の総量(TVOC)自体は逆に増えてしまいます。
分解型は見送られ、確実に化学物質を除去し、再放出の懸念がない吸着型を
採用することにしました。
吸着型は北里研究所病院 臨床環境医学センターで
採用された方式です。
吸着型はその名の通り、化学物質を吸着によって除去しますが、
その基となる吸着材を必要とします。
一般的に知られる代表的なものとして
活性炭があります。
活性炭は特定の物質を選択的に分離、除去、精製などの
目的で使用される多孔質の炭素素材です。
多くの物質を吸着させる性質があるため、かなり以前から脱臭、
水質浄化などに用いられてきました。
私たちはまず吸着剤として活性炭に注目しました。
しかし既成の活性炭には以下の難点があります。
- ・送風による粉塵の飛散
- ・分子量の小さい化学物質(たとえばホルムアルデヒド等)の吸着が困難
エアイーサーの吸着剤としてそのまま用いるのには、
厳しい状況でした。
こうした難点をクリアーするあらたな活性炭の開発が求められました。
粉塵の飛散を防ぐには何かしらの方法で、活性炭をコーティングさせる必要が
あります。しかし、使用するコーティング剤によっては吸着孔を埋めてしまうため、
性能を一層低下させる恐れがありました。
粉塵の飛散を抑え、分子量の小さな物質の吸着を可能にしなくてはなりません。
試行錯誤を繰り返した結果、
被膜の薄い珪酸ナトリウム(水ガラス)を
用いるのが最良との
結論に至りました。
珪酸ナトリウムでコーティングされたこの活性炭は「改質活性炭」と名付けられ
、
特許(第3050139号)を取得しています。
粉塵の飛散を抑え、既成の活性炭では得られなかった分子量の小さな物質にも
対応する
最良の吸着材が誕生したのです。
開発の中心は本体の仕様に移りました。
製品開発時の揺るぎないテーマとしたのは以下の2点です。
- ・細部にまで患者の方に配慮された製品
- ・素材、品質に徹底的にこだわった製品
その「こだわり」を以下にご紹介します。
原材料のコストや加工面、重さなどを見れば、樹脂素材にはかないません。
しかし、樹脂には加工をしやすくするため可塑(かそ)剤という合成化合物が
添加されており、この可塑剤が遊離、揮発した際、
シックハウス症候群を
誘発する可能性があります。
化学物質の吸着を行っても、本体素材からそのような物質を放出しているのでは
意味がありません。
エアイーサーはスイッチ部分の加工上、どうしてもやむを得ないパーツを除き、
95%以上に金属を採用しています。金属は化学物質を放出しません。
塗料自体から放出される化学物質をいかに抑えるか、これも大きな課題でした。
行き着いたのは日本ペイント株式会社との共同開発による「化学物質を放出しない特殊塗料」。
エアイーサーの本体はこの特殊塗料で塗装を施してあります。
ラフフィルタと改質活性炭が入ったカートリッジの間には国際特許(第3963954号)を取得した
殺菌・酵素フィルタを装着しています。
この殺菌・酵素フィルタは独自の技術によってフィルタ繊維に固定化された天然の溶菌酸素が、
捕集した微生物を増殖させることなく殺菌し、フィルタ内部からの二次汚染を確実に防止します。
心臓部のステンレススチール製カートリッジは、完全な脱脂洗浄を実施、
また、組立てや梱包はエアイーサーを数台運転させた環境下で行われます。
本体の材質のみならず、細やかな配慮と徹底した品質管理体制が
敷かれています。
もともと、シックハウス症候群や化学物質過敏症の方に向けて製造された
エアイーサーですが、その機能は多方面で高い評価をいただいています。
現在では・・・
・ 小さなお子さんや高齢のご両親のため
・ 小児科の待合室(個人病院)
・ 生徒の集中力のアップに(学習塾)
・ オープン直後の店舗で化学臭を気にされるお客様のために(飲食店)
・ 大切なご家族の一員であるペットのため
など、様々な用途、場面でエアイーサーをお使いいただいております。
すべてのお客様にご満足いただけるよう、私たちは今後も真摯に
製品づくりに励んで参ります。













